4. 流産後のケアもし流産をしたら、
その後の手当てが大切です。
流産の中で最も多いのは、妊娠初期6~9週目に起こる稽留流産です。稽留流産では、子宮内に胎児や胎盤が残っているため、掻爬(そうは)手術を行われることが多くあります。
掻爬手術を受けた際には、どうしても子宮内部に傷が生じることが多いため、しっかりと子宮の回復をさせる期間が必要です。
流産手術後は、3ヶ月待ってから妊娠するのが理想的です。
流産は、病気ということではありませんが、一度、妊娠状態になった女性の体は、大きく変化します。
漢方の世界では、出産のことを大産、流産のことを小産ともいいます。
流産といっても、小さな出産と同じで、体に大きな負担をかけているからです。
目には見えなくても、体はダメージを受けています。
しっかりと体を回復し、妊娠できる状態にきちんと戻してあげることは、とても大切なことです。
ぜひ、しっかりと心と体のケアに取り組みましょう。
流産は特別なことではありません
実は、流産は、全妊娠の中でも比較的高い確率で起こりうるものです。
とくに、妊娠初期の流産は防ぎようがなく、お母さんの仕事や運動が原因になることはありません。
流産は15%の割合で起こる
妊娠された女性が流産となる確率は、およそ15%です。
<p<この数字は医療機関で確認されているものなので、病院を受診していない人や化学流産(ごくごく初期の流産)を含めると、もっと多い数字になることが考えられます。ちなみに、体外受精のように早期に妊娠反応を調べる場合、妊娠反応が出ても20%から30%は流産となるのです。
流産の8割は、妊娠12週未満の初期の段階で起こります。
流産は特別なことではなく、全妊娠において割りと多い疾患なのです。
初期流産の原因は受精卵の異常
初期流産の原因のほとんどは、受精卵の異常によるもので、お母さんのせいではありません。
お母さんお父さんの、卵子や精子自体にはとくに異常がなくとも、受精卵が成長する過程で高い確率で異常が発生するのです。
妊娠初期に出血などがあり病院へかかると、念のため「安静にしてください」と言われたり、止血剤を投与したりすることもありますが、すでに起こってしまった受精卵の異常を改善することはできません。
初期流産は、安静や生活習慣によって防げるものではないからです。
逆に言うと、正常に育った受精卵を、運動や不摂生により流産させることも出来ません。
お母さんが悪いわけではないので「無理に働きすぎたから」「妊娠に気づかずに生活してしまったから」と、どうか自分を責めないでくださいね。
初期流産後は手術をしたほうが良いのか
子宮内で赤ちゃんの心拍が止まったものの出血や腹痛などがない「繋留流産」や子宮内容物の一部が排出されずに残っている「不全流産」の場合は、子宮内容除去手術が必要になる場合があります。
手術をするか自然に排出されるのを待つかは、医師の判断によりますが、患者さんの希望により選択されることも少なくありません。
子宮内容除去手術を行えば、長く続く出血や腹痛を取り除くことができ、突然の緊急入院や手術を防げる点がメリットです。
しかし、手術には以下のようなリスクも考えられます
・感染症のリスク
手術は、感染のリスクを最小限に抑えた清潔な環境で行われますが、流産から時間がたっての手術の場合は、まれに感染症の恐れがあります。術後に発熱などの症状が見られた場合は、抗生剤の投与や適切な治療を行えば重症化することはありません。
・ 頸管裂傷
とくに出産未経験の人は子宮頸を広げる頸管拡張処置を行いますが、その際に頸管が裂傷することがあります。後遺症が出るようなことは少ないです。
・子宮穿孔
ごくまれに処置を行う際に、子宮内に小さな穴をあけてしまうことがあります。子宮収縮薬や抗生剤の投与で経過観察をしますが、穿孔が大きい場合は開腹手術が必要になることも。
・子宮内容遺残
ごくまれに、手術を行っても子宮内容物が充分に排出できず残った場合があり、出血が続いたり発熱や腹痛が出ます。子宮収縮薬で内容物を完全に排出させられれば症状はなくなりますが、再手術が必要になることもあります。
・子宮収縮不全
薬を使用しても子宮が収縮せず、大量出血が起こる場合は、入院し適切な処置が行われます。
一般的にどんな手術もリスクが0ではありません。
しかし、感染症などは自宅で自然排出を待っていても大量出血により起こりうるリスクです。
手術中の出血やトラブルは、そのまま病院で早めの処置が受けられるため、重症化することはほとんどありません。
手術を行わずに、自然排出を待つ方法にもメリットデメリットがあります。
メリットは、自然に排出が行われれば、手術による体への負担がかからない点です。
その一方で、自然排出を待つ間に腹痛や出血が続く点や、突然の大量出血や強い腹痛が起き緊急手術となる確率が高いのは、自然排出のデメリットです。
このように、手術をした方がよいのか自然排出をした方がよいのかは、ケースバイケースです。
どちらの場合も感染症の発生率に差はないという研究報告があるので、どちらがより優れているということはありません。
医師に手術を指定された場合は、不安に思うことはすべて聞いてから手術に臨みましょう。
「手術でも自然排出でもどちらでもよい」と言われた場合は、医師とよく話し合ったうえで、どちらをとるのか決断してください。
かかりつけの病院が近い場合は外来で自然排出を待つのもありですが、自宅と病院の距離がかなり遠い場合などは、用心して手術を選択する判断も必要です。
後期流産の場合は、子宮を収縮させる薬を使い、出産と同様の方法で赤ちゃんと胎盤を取り出すので、外科的な手術は行われません。
流産手術の流れ
12週までの初期流産の手術は、麻酔をかけて行われますが、30分程度で終わる簡単なものです。
病院によって、日帰り手術の所もあれば、その後の経過を観察するために1泊入院となる所もあります。
腹痛や出血がおさまり(多少の痛みや出血はあります)麻酔からしっかり覚めていれば退院できます。
術後はシャワーなどを浴びても問題なく、大きな制限はありませんが、体には負担がかかっているため無理をするのは避けましょう。
- Ⅰ.
流産後の生活 -
- 処置された日~1週間
- ~1ヶ月
- ~100日
- Ⅱ.
流産後の養生法 -
- あたためる
- 睡眠・休息
- 食べ物
- Ⅲ.
流産後のケアが
大切な理由 -
- 体の症状からチェック
- 基礎体温からチェック
- 心の状態からチェック
Ⅰ. 流産後の生活
流産後のケアは、体力の回復だけでなく、その後の妊娠にとっても、非常に大切です。
流産後1ヶ月から100日までは、「流産後の養生」が欠かせません。
特に流産後1ヶ月以内にトラブルが出た場合は、100日までに治さないと、その影響は次の出産まで続くとも言われますし、この時期の回復が不十分だと妊娠しにくい体になってしまいます。
とにかく流産後の無理は禁物です。
初期流産の場合、妊娠したことを会社などに話していないので、
休みにくかったり・・・
周囲に気づかれないように気を使ったり・・・
気を紛らわしたくて普段以上に仕事をしたり・・・
そんな場合もあるかもしれませんが、できるだけ、休みましょう。
流産や処置からの期間での目安をまとめておきます。
処置された日~1週間
一般的には、流産の処置をされてから1週間後に診察を受けるようになりますが、ここまでの期間は、とにかく無理は禁物です。仕事や家事もできるだけ控えてください。
処置を受けた場合、どうしても子宮腔内に傷がついてしまいます。
無理をすると炎症が起こる場合があり、それが原因で、癒着などを引き起こすこともあります。
入浴は控え、シャワーのみにしましょう。
出血は、流産してから1週間~10日以内でおさまってきます。
もしも、10日以上出血が続く場合は、診察を受けることをおすすめします。
~1ヶ月
流産や処置の1ヶ月くらいで次の生理が来ます。
それまでの間は、激しいスポーツは厳禁です。遠方への旅行、夫婦生活なども、控えたほうが良いでしょう。家事や仕事も無理をせず、だんだんと慣らしていくほうが体にとっても楽です。
もしも、2ヶ月たっても生理が来ないようなら、一度、診察を受けてみてください。
~100日
生理を2、3回見送った後から、妊娠してもよいと言われるドクターが多いようです。
夫婦生活は、1ヶ月以降は構いませんが、100日くらいまでは、あえてタイミングをあわせたりせずに、自然な感じですごすほうがよいでしょう。
漢方的には、流産後100日までは妊娠を避け、しっかりと子宮を回復させることが大切です。
それまでの期間で妊娠しても、過度に心配する必要はありません。
Ⅱ. 流産後の養生法
流産後の生活で大切なのは、あたためること、睡眠・休息、食べ物です。
あたためる
冷えは流産後の体に、大きなダメージを与えます。
また、トラブルを引き起こす原因になってしまうので、くれぐれも、しっかりとあたためるようにしましょう。
服装
腹巻きは必須です。毛糸のパンツなどもおすすめ。
首、手首、足首をあたためると体温を保つことができます。ストールやレッグウォーマーなどを活用しましょう。
丈の短いスカート類は避け、なるべくパンツスタイルで。
夏場だと油断しがちですが、エアコンなどで逆に冷えるので気をつけて。
ナプキン
できれば、布ナプキンをおすすめします。
通常のナプキンには、経血を吸収するための高分子吸収体が使われています。
この高分子吸収体が液体(経血)を含むと、冷えピタと同じ状態になって子宮を冷やしてしまうからです。
可能であれば、布ナプキンに変えてみましょう。
カイロ
ホッカイロは、手軽で直接下腹部をあたためてくれます。
暑いのに無理やり温める必要はないですが、冷える感じがする時は、ぜひ活用しましょう。
貼る場所は、おへその下辺りと腰。
前後からカイロのサンドイッチで温めると効果的です。
睡眠・休息
体を回復させてくれる最高の治療は睡眠です。
- 流産後1週間までは10時までに寝る。
- 1ヶ月までは11時までに寝る。
眠っている間に人間の体は、回復します。
特に、東洋医学で内臓の回復時間となるのが夜11時~午前3時の4時間。
この4時間をしっかりと眠るようにしましょう。
ただ、流産後のダメージで「血」が不足してくると眠りにくくなったり、途中で目が覚めて熟睡できなくなることもすくなくありません。
そんな時は、横になっているだけでも構いません。
呼吸に意識を向けてみると、気持ちも穏やかに瞑想効果も得られます。
食べ物
からだをあたためたり、滋養をつける食べ物を積極的に取りましょう。
流産後1ヶ月は冷たいものは避けてください。
特に、流産後1週間は、脂っこいもの、香辛料などの刺激の強いものは避けてください。
消化の良いものを取るようにしましょう。
どんどん食べてほしいのは、鶏肉。
できれば骨付きのものをスープ仕立てにしたものがおすすめです。
「子宮は血の海」と漢方ではいいます。
流産では、この「血」が大きく損なわれます。
鶏肉をたくさん食べて、血をしっかりと回復させていきましょう。
- 〈体を温める食べ物〉
-
- 鶏肉
- レバー
- ねぎ
- しょうが
- やまいも
- はちみつ
- 黒糖
- など
- 〈体を冷やす食べ物〉
-
- 生野菜
- 夏の野菜(キュウリ、レタス、トマトなど)
- 南の果物(パパイヤ、マンゴーなど)
- 清涼飲料水
- 白砂糖
- など
Ⅲ. 流産後のケアが大切な理由
流産後のこころやからだの不調は、体がダメージを受けているために起きる一時的なものです。
ただしこれをそのままにしておくと、そのまま自分の体質になってしまいます。
流産後の不調は早めに解決することが大切です。
体の症状からチェック
- 体の症状:10のチェック項目
-
- 便秘
- のぼせ
- めまい
- 生理痛
- 立ちくらみ
- 生理不順
- 血色が悪い
- 経血量が減った
- 冷え
- おりものが減った
上記のトラブルが流産後に出ている場合は、体がダメージを受けているサインです。
なるべく早く改善しましょう。
妊娠力の中心は、「血」です。
東洋医学でいう「血」とは、血液、栄養、ホルモンをまとめたもので、子宮・卵巣系の力の源です。
流産では、この血が大きなダメージを受けていて、トラブルや、不妊を招く原因になります。
『「血」を補い、めぐりをよくする』このことが、流産後に、また新しい命を授かる体に戻るためのとても大切なことです。
体の不調も、心の不調も血の状態を良くすれば、しっかりと回復して、本来のあなたらしい状態を取り戻していきましょう。
血を回復させるために必要なことは、流産後の養生法そのものです。(養生法は上記です)
ただ、『早く回復させたい』、『しっかりと回復させたい』、『次の流産はできるだけ避けたい』そんなふうにお考えの場合は、漢方や薬膳をおすすめします。
基礎体温からチェック
流産後、最初の生理がくるまでは、基礎体温を付ける必要はありません。
また、気持ち的に少し妊娠のことを考えたくない場合も同様です。
自分の気持ちが「赤ちゃんを授かりたいなぁ」そんなふうに、自然と考えられるようになった時がタイミングです。それから体温を測るようにすればOKです。
基礎体温を測定を再開した時に大切なポイントがあります。
それは、流産前後の基礎体温の比較です。
A. 基礎体温の変化なし
それまでと、基礎体温に大きな変化がない場合は、特に心配しなくても大丈夫です。妊娠できたことは間違いないわけですから、自信をもって、次の妊娠に向かって行きましょう。
B. 基礎体温が高くなる
流産後に不妊で悩まれる方に多いタイプです。
流産前に比べて体温が高くなっている場合、特に、低温期が36.5度を上回るようになった場合は、注意が必要です。
低温期の体温は、通常36.2~3度。
この体温だと卵胞が育ちやすいと言われています。
イメージとしては、『36度を切ると、たまごが冷蔵庫で冷えてる状態』『36.5度を越えるとゆでたまごになっている状態』を想像してもらうと、わかりやすいかもしれません。
流産後に不妊で相談に来られる方で多いのが、体温が上がってしまう方です。
流産後のケアでは、血流をよくすることが大切なのですが、それが不十分な場合によく見られます。
漢方的には、余分な悪い熱が出てしまって「育てる力」が不足していると考えます。
冷えとか、生理不順といった自覚症状があまりない事が多く、本人の意識が体に向きにくいのも特徴です。この場合は、体から悪い熱を追い出した上で、育てる力を補う必要があります。
漢方的対応としては、『血流をよくする』、『育てる力を補う』ということを行います。
C. 基礎体温が低くなる
流産後の体のダメージが取れていない方によく見られます。
特に、低温期が36.0度、高温期が36.5度を下回ってしまう場合は要注意です。
流産前に比べて経血量が減った・冷えがひどくなった・貧血・生理不順になったなど、婦人科系の不調がみられることもすくなくありません。
子宮・卵巣の力のもとであり、妊娠力そのものともいえる「血」が不足している状態です。
ポイントとなるのは3つ。
『温めること。』『睡眠をとること。』『栄養をとること。』
毎日の生活を大切にして過ごすと血が増えて妊娠力がしっかりと高まってきます。
早め、早めに対処していきましょう。
心の状態からチェック
流産の時に感じた、喪失感・悲しみ・つらさ・怒り・不安・自分を責める気持ち・・・。
そういった湧き上がる感情は、自然なもので、その時の感情を素直に解放することはとても大切なことです。
- 泣いてもいい
- ひとに感情をぶつけてもいい
- 落ち込んでもいい
- ぼーっとしてもいい
そんなふうに、自分が感じていること、思っていることをゆるしてあげてください。
そして、気づいたこと感じたことを受け取り手放してみましょう。
流産のことは、忘れなくてもいいし、悪いことでもありません。
あなたが、あなたであること。
そして、あなたらしくあることを空に天使となって帰って行った赤ちゃんもきっと望んでいます。
赤ちゃんにとってお母さんのしあわせや笑顔こそがすべてなのですから。
時間とともにいろんな気持ちを感じられるでしょう。
ずっと気になってしまって、このままでいいのか心配になったり
早く立ち直らないといけないと焦ってしまったり・・・
よくあることと聞いてはみてもどうして自分がと納得いかなかったり・・・
偶然とはいわれても、やっぱりなにか悪かったのではと自分を責めてしまったり・・・
理屈などではなく、時間が必要な時もあります。
気持ちを伝えてみる
流産について話したり、相談したりするのが難しいのも事実です。
心のなかに押し込んだままにして、ずっとしんどいままになってしまう人も少なくありません。
誰かに伝える。
聞いてもらう。
そのことで気持ちが楽になる方もとても多いのです。
なかなか身近な人には話しにくかったりもします。
専門のサイトやカウンセリングを使ってみることもおすすめです。
体から心を楽にする
こころは、体の影響を大きく受けています。
特に、流産後に出やすい体質の影響で、「気持ちが前向きにならない(無気力)」「心配や、不安がおさまらない(不安)」「自律神経が不安定で感情がゆれる(イライラ、不安定)」の3つの感情が出やすくなります。
本来の自分の感情が、体質のせいで不調になっていることがとても多いのです。
もしも、こころの状態をまわりから言われたり、自分でもおかしいなと感じたら、一度、体質をチェックしてしっかりとからだを回復させることも大切です。
「本当の自分とは違う」
そう感じたら、体のケアに目を向けましょう。
同時に妊娠力のアップにもなり、こころとからだの両方が良い方向へ進んでいきます。
Ⅳ.流産後の妊活の進め方について
体と心をしっかり休めた後は、ふたたび妊活をはじめることが出来ます。
しかし、あまり焦ってもよい結果はやってきません。
流産後の妊活の進め方について、考えてみましょう。
流産後に妊活をはじめる時期、年齢が高い場合は?
流産後に妊活をはじめる適切な時期については、年齢や体調それぞれのケースにより、医師の見解が多少異なります。
基本的には、子宮がしっかり元に戻る時期である「生理を2~3回見送ったあと」と言われることが多いようです。
しかし、年齢が高く不妊治療に通っている人等は、その限りではありません。
妊娠のチャンスが少ない場合は「生理を1回見送りその後の診察で問題がなければ妊活を再開してよい」という医師もいます。
その場合は、治療方針や妊活の進め方についてかかりつけの医師とよく相談しましょう。
流産後は、決して自己判断で早期に妊活を進めることのないようにしてください。
しかし、妊娠ごくごく初期の化学流産の場合は、医学的には流産にカウントされず体への負担はそんなに大きくありません。
化学流産では、病院にかからないことも多いので、とくに生理が何回という制限なく妊活を再開しても大丈夫です。
流産後は妊娠しやすい?
「流産後は妊娠しやすい」という噂がありますが、これは「流産の経験をしたことがある人は、妊娠を経験していない人にくらべて、その後に妊娠できる確率が高い」ということです。
お伝えしてきたとおり、流産のほとんどが受精卵の異常により引き起こされます。
一度流産をしたということは、受精や着床には大きな問題がないため、よい受精卵であれば妊娠は継続できるということになります。
妊娠ができる体であるという証拠ですので、あまり落ち込まずに次の妊娠に向けて体を回復させるのが最善です。
また流産したら、という不安を持つ人へ
流産後の妊活は、ふたたび流産を繰り返すのではないかといった不安が大きいものです。
流産を一度経験すれば癖がついて流産を繰り返すようになる、などということは一切ありません。
しかし、流産を二度三度繰り返す人は「不育症」の可能性があるので、病院で検査をすることが望ましいです。
検査は難しいものではなく、両親の染色体、母親の自己抗体、凝固系、甲状腺機能に異常がないか、などを調べます。
原因がわかれば、それに対する治療が出来たり、その後の妊活方法の方針も変わってきます。
ちなみに、染色体の異常は年齢が上がるにつれリスクが高くなるものです。
一度、流産をしたから異常が起こる確率があがる、ということはないので安心してくださいね。
なかなか妊娠しにくく、タイミング法のみで妊活をおこなっていた人は、この機会に病院と相談してほかの方法を試してみるのもよいかと思います。
精神的な不安やストレスは妊活にとってよくありません。
また流産するかもしれない…と「もしも」のことで不安を感じるよりも、妊娠のための体づくりや必要な検査や治療など、今出来ることをひとつずつやっていきましょう。
流産後は心と体のケアをしっかりと行い、時期を見て妊活を再開しよう
流産は誰にでも起こりうることですが、流産後はどうしてもネガティブな感情を抱いてしまうものです。
また、年齢による不安から、流産後の妊活を焦ってしまう人もいるかと思います。
ネガティブな感情のまま、体の回復を待たずに妊活をはじめても、よい結果はなかなか得られません。
流産後には、心と体を養生する期間が必要なのです。
体の回復を待っている間は、規則正しい生活や健康な体づくりを心がけ、ストレスがかからないように心をゆっくり休めてください。
流産後は、妊活に関する多くの情報が心の負担となることも少なくありません。
少しの間でも構わないので、いったん妊活について考えることはお休みし、体の回復を待ちましょう。
体と心は繋がっています。
日々を明るく元気に過ごせれば、自然と妊活を再開できる日はやってきますので、焦らずに養生してくださいね。
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<出典・参照元>
公益社団法人日本産科婦人科学会 流産切迫流産
国立研究開発法人国立成育医療研究センター 流産手術について
日本医科大学付属病院 不育症診療
市民公開講演会 「高齢妊娠に伴う諸問題」
一般社団法人日本生殖医学会 不妊症