排卵日をねらったタイミング法での妊活がうまくいかず、どうしたらよいのか悩んでいませんか?妊娠が成立しない原因はさまざまあり、その中でも男女の不妊症の割合は半々です。今回は妊娠に深いかかわりのある、女性の月経や男性ホルモンを作り出すLHについてご紹介していきます。
この記事では、
・LHホルモンの働きとは
・LHホルモンの分泌量と不妊の関係
・LHホルモンをコントロールする薬剤
・LHをコントロールする食品
について説明しています。ご自身の症状と照らし合わせながら、問題点や病院に行くきっかけ、生活習慣の見直しの参考にしていただければと思います。
LHは男女ともに重要なホルモン
LHとは『黄体化ホルモン』のことで、脳下垂体から分泌される生理や妊娠に深いかかわりのあるホルモンです。まずは、生理の仕組みからLHの働きをみていきましょう。
図1:生理の仕組
出典元:公益社団法人 日本産婦人科医会
図1のように、脳からFSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌され、卵巣で卵が育ち、子宮内膜を厚くしていきます。次に、脳からLH(黄体化ホルモン)が分泌されて排卵が起こります。体温を上昇させて、受精卵を着床しやすいように子宮内膜をさらに厚くしていきます。妊娠が成立しなかった場合は黄体ホルモンの分泌が止まり、子宮内膜がはがれ落ちることで生理が起こる仕組みになっています。生理前に起こる、イライラ・腹痛・食欲の増加などの症状【PMS(月経前症候群)】も、この黄体ホルモンの変動で起こると言われています。
生理や妊娠でよく耳にするFSHやLHといったホルモンですが、実は男性にとっても重要なホルモンのひとつです。LHには、精子を作るために必要な『男性ホルモン』を作る働きがあるので、男性不妊の検査でも精液検査と合わせて行われることが多く、ホルモン不足や精巣機能の低下を調べることができます。また、無精子症の男性はLHが上昇しているという研究結果も報告されているので、女性だけでなく男性にとっても妊活するうえで重要なホルモンだと言えます。
LHの分泌が『多い・少ない』のは不妊の原因
LHは月経周期によって数値が変動するので、不妊検査を受ける場合は月経周期ごとに数値を検査することで、問題を見つけることができます。
表1:LHの正常値