体外受精の妊娠率アップに期待!初の「研究用受精卵」容認へ 〜IVM(未成熟卵体外成熟)ってなんですか?〜

  • 不妊治療・婦人科

先月、「未成熟卵を体外で育て、受精させる研究を厚生労働省が承認」というニュースが流れました。そして今月12日には、その研究を日本で初めて行うことになる大阪市のクリニックが会見を行いました。

まだ始まったばかりの研究ですが、この研究が不妊症に悩むカップルの福音となる日は来るのでしょうか?

今回はこのニュースをもとに、IVM(未成熟卵体外成熟)についてお話します。

今回のニュースのポイントは?

今回のニュースは、「研究のために受精卵を作ることが初めて認められた」という点で大きな注目を集めました。

そして、この研究は未成熟卵を体の外で育てる「IVM」という技術をさらに進化させ、IVMによる体外受精の成功率を上げることを目的としています。


IVM(未成熟卵体外成熟)による体外受精は、不妊治療のひとつとして以前から行われていました。

しかし、今回は妊娠・出産のためではなく、「研究を目的としたIVMと受精卵の作成が認められた」というのが大きなポイントです。


受精卵はヒトとして生まれる可能性をもつ細胞です。生命の根源ともいえる受精卵を、研究目的に作成することを国は原則禁止していますが、2004年に「ARTに関わる研究に限って」容認すると決めました。

2011年には、研究を目的とした受精卵作成について、国の審査やいろいろなルールを定めた「倫理指針」が施行されています。


今回の研究は倫理指針施行後初となる研究なのです。研究を行う大阪市のクリニックは2017年から国に申請を行っていて、今年5月に申請が承認されました。


この研究の大きな目的は「IVM技術と受精率の向上」です。

具体的には、「未成熟卵の成熟率を上げ、高い受精率を得るためにはどのような培養法が適しているか?」を明らかにすることです。


この研究を行うには、さまざまな条件・方法で未成熟卵を培養し受精させる必要があるため、膨大な数の卵子・精子が必要です。研究を行うクリニックによると「夫婦から同意を得て、ARTのために採取しておいた卵子・精子の残りを提供してもらう」とのこと。

つまり、「不要になった卵子・精子を研究に利用する」ということです。研究で作られる予定の受精卵はなんと300個。これらの受精卵は、研究後は廃棄されることになります。

IVM(未成熟卵体外成熟)とは?

IVMとは、卵巣から取り出した未成熟卵を培養液の中で育て、成熟卵にする治療法です。

1991年に初めてIVMによる妊娠成功例が報告され、1994年には多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者へのIVMも行われました。


今後はPCOS患者だけでなく、高齢の妊娠希望者・がん患者の妊娠力温存など需要はますます増えると考えられています。

適応

  • 採卵で未成熟卵しか取り出せない、もしくは成熟卵に混じって未成熟卵が多く取れる
  • 排卵誘発剤を使っても卵子が成熟しない
  • 卵胞の大きさに対して卵子の成熟が遅い
  • 排卵誘発剤を使うことで卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こす危険性が高い

 

方法

培養液の中で26時間ほどかけて卵子を成熟させます。成熟した卵子は、その後の体外受精・胚移植に使用されます。

 

メリット

  • 排卵誘発剤を使わないか、使っても少量のためOHSSのリスクを抑えられる
  • 卵巣刺激によるホルモン値の上昇を抑えられる(乳がんなどの病気では、女性ホルモン値の上昇でがんが再発・進行することがある)
  • 採卵時期はいつでもOK(排卵誘発剤でコントロールしたり、採卵のタイミングを気にしたりしなくてよい)
  • 複数回におよぶ注射や通院による金銭的・時間的負担が少ない

 

デメリット

  • 未成熟卵は小さいので採卵が難しい
  • 未成熟卵の培養に適した環境・条件が十分に検証されていない
  • すべての未成熟卵子が成熟するわけではない

これらの理由からIVMは成熟率が低く、成熟卵に比べて受精率も低いのが現状です。

この研究によって何が期待できるのか?

一番期待されるのがIVMの技術向上による卵子の成熟率・受精率アップであり、その先にある妊娠率アップです。

体外受精では、卵巣から卵子を取り出す処置(採卵)を行いますが、取り出した卵子がすべて良い卵子とは限りません。成熟しているものもあれば未成熟のものもありますし、成熟していたとしても受精・妊娠まで辿り着けるとは限らないのです。


体外受精では、妊娠できる可能性の高い良好な受精卵をたったひとつ得るために、約13個の卵子が必要といわれています。


ちなみに、「良い受精卵になる可能性のある卵子は13個に1個」という数字は、女性が30代前半の場合です。アラフォー以降の女性では卵子の在庫が少ないうえ、卵子が育つ力も低下しているので状況はより厳しいものとなります。せっかく採卵しても、そのほとんどが未成熟卵……ということもあるでしょう。


そのような不利な状況でも、IVMによって成熟卵に育てたのち無事に受精することができれば、妊娠への道が開けるのです。

現在のIVMでは、すべての未成熟卵が成熟し受精するという保証はありません。

しかし、今後の研究によって未成熟卵を確実に成熟させ、なおかつ受精率の高い成熟卵を培養する方法が開発されれば、ARTの治療効果は大きく飛躍することになるでしょう。


卵子の数を増やしたり若返らせたりすることはできなくても、「せっかく採卵した貴重な卵子が使えない」という状況を減らせるかもしれないのです。


また、未成熟卵をIVMで成熟させ、凍結保存しておくという方法も応用が始まっています。研究がさらに進み、この技術が広く使われるようになれば、病気や治療よって生殖機能の低下・喪失が避けられない女性にとっては大きな希望となるでしょう。

【まとめ】

今回は、最近気になったニュースをテーマにお話しました。

研究目的の受精卵を作ることについては、生命倫理という観点からも賛否両論あるでしょう。

2011年に倫理指針が施行されてから今回の承認までに8年かかったという事実が、その研究の意義や責任の重さを物語っています。

しかし、この研究がいつか実を結べば、多くの不妊症カップルや将来の妊娠に不安を抱える女性が救われることになるでしょう。

このように「新しい治療」「より良い治療」の開発のために、この瞬間にも世界のどこかでさまざまな研究が行われているのですね。素晴らしいことです。

今回始まった新たな挑戦に、期待が高まります。

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<出典・参照元>

朝日新聞デジタル

生殖医療の必修知識2017(一般社団法人 日本生殖医療学会)

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