はじめてさんの不妊治療の教科書 その⑬ 何度やっても妊娠しないのはなぜ?体外受精と反復着床不全

  • 不妊治療・婦人科

30代女性が体外受精で良好な受精卵(胚)を移植した場合、5回までの胚移植で約90%が妊娠するというデータがあります。

タイミング法や人工授精に比べて、圧倒的に高い妊娠率が体外受精の特徴です。

一方で、体外受精を何度くり返しても妊娠できないケースがあります。

年齢のせい?体に何か問題がある?


今回のテーマは、妊娠の不成立をくり返す「反復着床不全」です。

原因や治療法についてわかりやすく解説しますので、現在悩んでいる方もこれから体外受精を始める方も、ぜひ参考にしてください。

くり返す妊娠の不成立、それは反復着床不全です

日本産婦人科医会は、「良好胚を4個以上かつ3回以上移植しても妊娠しない場合」を反復着床不全(RIF)と定義しています。


30歳女性の場合、1回の胚移植での妊娠率は40%ですが、3回で78%、5回では92%と胚移植の回数を重ねるごとに妊娠率がアップするというデータがあります。

40歳女性では30代に比べて明らかに妊娠率が低下するものの、1回の胚移植で24%、5回で74%と、やはり回数を重ねるほど妊娠率は上昇しています。


一方で反復着床不全の場合、20〜30代の若年女性の妊娠率は10%といわれています。

反復着床不全に悩むカップルは「今回もダメだった」という悲しみとともに、「本当に妊娠できるのだろうか」「これ以上治療を続ける意味はあるのか」と悩み、高額な治療費の負担からも解放されずにいます。

高い妊娠率を誇る体外受精ですが、一部のカップルに見られる反復着床不全。

その原因はどこにあるのでしょうか?

 

反復着床不全の原因は子宮のトラブルと免疫異常

反復着床不全の原因は大きく2つあります。

  • 子宮内のトラブル
  • 受精卵に対する免疫異常


ここからは、反復着床不全の原因と治療法について具体的に説明します。

子宮内のトラブル

◎慢性子宮内膜炎

反復着床不全の30%は慢性子宮内膜炎が原因といわれています。

子宮鏡で子宮内部を見ると、いちごの表面のように赤くプツプツした子宮内膜と、所々に白斑(色が白く抜けている部分)を認めます。

子宮内膜炎を起こす原因菌は、大腸菌・マイコプラズマ・クラミジアなどさまざまです。抗菌薬を投与して治療します。


◎子宮内膜ポリープ

卵管口の近くにできるポリープは、ごく小さいものでも着床を妨げる原因になるため子宮鏡によるポリープ切除が必要です。

◎帝王切開瘢痕症候群

帝王切開後の瘢痕部(傷跡)に体液が溜まり、それが原因で着床障害を起こすことがあります。

超音波と子宮鏡で瘢痕部の確認を行い、部分切除を行います。

 

受精卵に対する免疫異常

ちょっとややこしいですが、免疫のお話です。

受精卵は卵子と精子の複合体で、女性の体に元々備わっていない「異物」です。体に入ってきた異物には免疫機能が働き、排除しようとします。

しかし、「異物」として排除されてしまうと妊娠できず、子孫を残すことができません。私たちの体は実にうまくできていて、受精卵が無事に子宮内膜に着床できるよう免疫機能を調節しているのです。


このように受精卵が異物として攻撃されず子宮に受け入れられる(着床する)システムは、免疫細胞のひとつであるT細胞と、T細胞が変化したTh1細胞・Th2細胞のバランスによってコントロールされています。

正常妊娠の場合、異物を攻撃するTh1細胞を減らし、反対に寛容的に働くTh2細胞が優位になるため受精卵や胎盤が攻撃されず妊娠を維持できます。

ところが、反復着床不全の場合はTh1細胞が減らず、受精卵は異物として攻撃されてしまうため着床できません。

つまり、免疫機能のバランスが崩れると着床障害が起きるというわけです。

治療には免疫抑制剤を使用し、Th1細胞を抑えてTh1細胞・Th2細胞のバランスを整えることで、受精卵への拒絶反応が起きないようにします。

 

ビタミンD 欠乏

ビタミンDはTh1細胞の働きを抑え、Th2細胞の働きを促す作用があります。妊娠に適した免疫状態にしてくれるビタミンDが不足すると、Th1細胞・Th2細胞のバランスが崩れ、着床不全の原因になります。

十分な着床率を得るため、ビタミンD不足の際はサプリメントで補う必要があります。


また、反復着床不全と不育症はしばしば原因が重複していることもあるため、保険適応外ではありますが不育症検査も同時に行うよう推奨されています。

原因不明の反復着床不全に対する治療

検査をしても、これといった原因が見つからないことがあります。

着床しない、原因もわからないとなると絶望的な気持ちになり「妊娠は諦めたほうがいいのかな?」と追いつめられてしまう方もいます。


原因不明の治療に対しては、

  • 子宮内膜スクラッチ
  • 胚盤胞培養
  • アシステッド・ハッチング
  • ヒアルロン酸含有培養液を使用した胚移植

これらの治療が有効だといわれています。ひとつずつ見ていきましょう。

 

子宮内膜スクラッチ

スクラッチは「ひっかく」「ひっかき傷」という意味です。

つまり、子宮内膜にわざと小さな傷をつけて刺激する方法です。

なぜこのようなことをするかというと、傷をつけることで子宮内膜に炎症反応が起こります。実は着床のときにも同じような反応が起こっており、スクラッチすることで着床しやすい環境を作り出しているというわけです。

 

胚盤胞培養

受精後、分割して間もない胚を移植すると、不妊の原因が胚の分割停止によるものなのか着床不全のせいなのか判別できません。

分割が進んだ胚盤胞を移植すれば、着床しない原因が胚の分割異常ではなく「着床自体に問題がある」と診断することができます。

 

アシステッド・ハッチング

胚盤胞は、透明帯という膜に包まれています。細胞が成長するにつれ透明帯が薄くなり、やがて亀裂が生じて中身(胚盤胞)が出て子宮内膜に着床します。これを卵の孵化に例えて「ハッチング」と呼びます。

アシステッド・ハッチングは、レーザーなどで透明膜に切り込みを入れ、胚盤胞が透明帯から孵化(ハッチング)して着床するのを助ける方法です。

 

ヒアルロン酸含有培養液

ヒアルロン酸含有培養液は胚移植専用の培養液で、着床効果を高めることが実証されています。高濃度のヒアルロン酸と組み換えヒトアルブミン(タンパク質)が含まれ、アシステッド・ハッチングと併用して胚移植を行うことで妊娠率アップが期待できます。

 

このように、原因不明の反復着床不全であってもARTによって妊娠率を上げることは十分可能です。

 

【まとめ】

反復着床不全は、20〜30代の妊娠適齢期の女性でさえ妊娠率はわずか10%です。

原因が見つからないことも多々あり、くり返す妊娠の不成立により心身ともに大きなダメージを受けます。

しかし、原因不明の反復着床不全に対してはARTでカバーできることも多くあります。

悩んでいる方は、まずは信頼できる医療者に相談してみましょう。

現在通っている医療機関で治療が難しいようであれば、セカンドオピニオンを検討されるのもひとつです。

赤ちゃんに会えるまで長い道のりだと感じるかもしれませんが、どうか諦めず、納得できる治療法を見つけていただきたいと思います。

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<出典・参照元>
反復着床不全(公益社団法人 日本産婦人科医会)

データから考える不妊症・不育症治療(竹田省・田中温・黒田恵司 メジカルビュー社)

京都大学 再生医科学研究所 再生免疫学分野 河本宏研究室

レーザー・アシステッドハッチング(矢野 浩史 久保 敏子)