はじめてさんのための不妊治療の教科書 その③〜不妊治療のキホンをわかりやすく解説します〈後編〉〜

  • 不妊治療・婦人科

〜不妊治療のキホンをわかりやすく解説します〈前編〉〜 に引き続き、今回は〈後編〉です。

〈前編〉は不妊治療のキホンの部分をお話しました。
〈後編〉は、より具体的な不妊治療の実際と、ちょっと複雑な「高度生殖医療」についてのお話です。

不妊治療…とくに高度生殖医療は、ふだん聞き慣れない言葉ばかりで混乱する方も多いと思います。

どうしても専門的な内容になってしまいますが、なるべくわかりやすい言葉で説明していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

実際にどんなことをする?不妊治療の具体的方法

まずは、〈前編〉のおさらいです。

 

〈不妊治療は大きく分けてこの3つ〉

①不妊症の原因に対する治療(原因治療)

②排卵・受精を助ける治療(一般不妊治療)

③高度な技術を必要とする治療(高度生殖医療)


①の原因治療については〈前編〉でお話しました。
ここからは、②一般不妊治療 ③高度生殖医療 について詳しくお話します。

 

一般不妊治療

  • タイミング法

基礎体温・頸管粘液の状態・超音波検査で排卵日を予測し、性交のタイミングを合わせる方法です。

排卵の2日前〜排卵当日に性交すると妊娠しやすいため、確実に排卵日を予測することと、その期間にタイミングよく性交できるよう男性の協力が不可欠です。

 

  • 排卵誘発法

クロミフェン(内服薬)によって卵胞を発育させる方法と、ゴナドトロピン製剤(注射薬)で卵胞を発育・排卵させる方法があります。

いずれも卵胞を育て排卵を促す治療法ですが、作用の仕組みが異なるため、排卵障害の原因・程度に応じて使い分けます。

とくに、ゴナドトロピン製剤は強力な排卵誘発効果があるため、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群(OHSS)に注意が必要です。

 

※卵巣過剰刺激症候群(OHSS)とは?

ホルモン剤で卵巣を刺激した結果、卵巣が腫れてしまう代表的な副作用です。

お腹が張って苦しい・痛み・不快感などの症状が現れ、重症になると腹水や胸水(お腹や肺に水がたまる)といった重篤な状態になります。

治療中、少しでも体調に異変を感じたら早めに主治医に伝えることが大切です。

 

  • 人工授精

男性の精液から運動性のよい精子だけを集めて洗浄し、子宮に注入する方法です。

精液を洗浄することで、精液中の白血球や細菌といった不純物を取り除き、元気な精子を選別することができます。


洗浄によって選別された元気な精子は、医療器具を通して子宮内へ注入されます。その後、精子の卵管内進入→受精→着床といったプロセスは自然に任せることになるため、かぎりなく自然妊娠に近い方法といえるでしょう。

 

ここまでの、〈タイミング法・排卵誘発法・人工授精〉が、一般的な不妊治療です。

まずタイミング法を半年、次に排卵誘発法を半年行って、効果がなければ人工授精に進むのが一般的です。

 

しかし、原因不明の不妊症に多いといわれる「ピックアップ障害」のように、卵子を卵管に取り込むことができないようなケースでは、いくら人工授精を行っても妊娠は期待できません。

このようなケースでは、早めに体外受精を検討します。

 

また、女性の年齢を考えて、早めに体外受精へとステップアップすることがあります。

年齢を重ねれば、卵子も年をとります。

女性は35歳頃から卵子の質が低下しはじめ、卵巣や子宮の衰えとともに妊娠力も低下しますので、タイムリミットが近づいている場合は半年・1年と待たず、早めに体外受精にふみきることもあるのです。

さて、次はいよいよ体外受精のステップ、「高度生殖医療」へと進みます。

 

高度生殖医療

高度生殖医療には大きく分けて「体外受精」と「顕微授精」があり、いずれも体の外で卵子と精子を受精させた後、受精卵を子宮に戻す方法です。

体外受精・顕微授精をするためには、いくつかのステップがあります。

 

ステップ1:卵子を育てつつ、排卵を抑える

体外受精・顕微授精を行うためには、良好な卵子と精子を得る必要があります。

女性は、確実に採卵(卵子を取り出すこと)をするため、治療開始から採卵直前までの間、排卵を抑える薬を使用します(点鼻薬といって、鼻から吸い込むタイプの薬です)。

 

同時に、卵胞を育てるため排卵誘発剤を数日間にわたって注射します。

超音波検査で卵胞の発育を確認し、ある程度の大きさになったら、排卵を促すhCG製剤を注射します。

 

ステップ2:採卵、採精

hCG注射から約35時間後、女性は膣から細い針を通して、卵巣から卵子を取り出す採卵という処置を行います。

 

男性は人工授精のときと同じように、射精によって精液を回収・洗浄し、元気な精子を選びます。ただし、男性に射精障害や無精子症がある場合は、男性も精巣内から直接精子を取り出す処置が必要です。

 

ステップ3:受精

つぎに、取り出した卵子と精子を体の外で受精させますが、受精の方法の違いによって「体外受精」「顕微授精」に区別されます。

  • 体外受精:卵子と精子を培養液の中で自然に受精させる
  • 顕微授精:非常に細い器具を使って、ひとつの卵子にひとつの精子を直接注入し、受精させる

体外受精では、精子の状態が悪いと受精には至りません。その場合は顕微授精へステップアップします。

 

ステップ4:胚培養

体外受精・顕微授精によって無事に卵子と精子が受精したら、数日間、受精卵を培養し、分割胚から胚盤胞へ変化するのを待ちます。体外受精

 


ステップ5:胚移植

いよいよ最後は、培養によって成長した分割卵もしくは胚盤胞を子宮内へ戻す作業です。

これを「胚移植」といいます。

胚移植は、多胎妊娠を予防するために「原則として1回の胚移植につき1胚まで」という決まりがあります。

ただし、35歳以上の女性や、2回以上続けて妊娠不成立であった場合には、2胚移植が可能です。

胚移植から2週間後、尿・血液で妊娠の判定を行います。
さらに1週間後に超音波で胎嚢を確認し、晴れて妊娠成立ということになります。

 

ここまでまとめると、高度生殖医療は

ホルモン剤の投与(卵胞の発育、排卵の抑制)

  1. 卵子と精子を取り出す(採卵、採精)
  2. 体の外で受精させる(体外受精もしくは顕微授精)
  3. 受精卵を育てる(胚培養)
  4. 分割卵もしくは胚盤胞を子宮内に戻す(胚移植)

…この5つのステップで進みます。


このように、高度生殖医療は負担の大きい治療法です。

とくに女性は、複数回にわたるホルモン剤の注射とそれによる副作用、通院、採卵など、体の負担だけでなく治療にともなうストレスを抱えることが多くなります。


しかし、タイミング法や人工授精に比べると妊娠率は高く、多くの不妊症カップルに希望を与える治療法でもあります。

 

気になる治療実績は?

公的機関の調査によると、2015年の総出生児数は約100万人。そのうち、体外受精(顕微授精も含む)による出生児数は約5万人。

約5%の赤ちゃんが、体外受精もしくは顕微授精によって生まれているということです。

これは20人に1人の割合なので、この数字を見ると、体外受精が意外と身近なものに感じられます。

 

次に、体外受精による年齢ごとの生産分娩率です。

 

〈年齢ごとの生産分娩率〉※生産分娩率:無事に赤ちゃんを出産した割合

 30歳 19.9%
 35歳 16.3%
 40歳 7.7%
 45歳 0.6%   

30代でも体外受精による生産分娩率は約20%、5人に1人の割合です。
40代になると、一気に分娩率が低下していることがわかります。

女性の加齢は、妊娠力の低下だけでなく染色体異常や流産の確率を高めますから、不妊治療を開始する年齢、ステップアップのタイミングがとても大切なのです。

治療にかかる費用は?

タイミング法・排卵誘発法までは保険適用ですが、人工授精から先のステップになると保険適用外となります。


医療機関にもよりますが、

  • 人工授精 1回につき1〜3万円
  • 体外受精・顕微授精 1回につき数十万円  …というのが相場です。

しかも、これらの治療は1回で妊娠するとは限らず、回数を重ねるほど費用がかさみます。

治療を受けるにあたっては助成制度があり、自治体が実施する「特定不妊治療支援事業」は、高度生殖医療にかかる費用を一部補ってくれる制度です。

体外受精・顕微授精1回につき15万円、男性不妊治療に対し15万円が助成されますが、年齢・回数・所得制限があり、助成金を受けられたとしても自費負担が発生するのは避けられません。

このように、高度先進医療まで進むと、心身の負担だけでなく経済的な負担も大きくなります。

「どこまで治療をするのか」ということを、夫婦でしっかりと話し合っておくことが必要です。

 

【まとめ】

不妊治療は、赤ちゃんを授かるための大切な治療です。

一方で、治療にともなう体への負担・心理的なストレス・治療費の負担といったネガティブな要素があるのも事実です。

パートナーとの関係性が不妊治療中心になってしまったり、生活や仕事との両立がうまくいかなかったりすることもあるでしょう。

人工授精や体外受精によって妊娠・出産までたどり着く割合は、まだまだ高いとはいえません。

子供のいる生活、夫婦だけの生活、家族のあり方はさまざまです。

これから歩む人生の中で、「不妊治療が夫婦にとってどのような意味をもつか」ということも、よく相談されるとよいでしょう。

 

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<出典・参照元>

三重大学医学部産科婦人科学教室 公式サイト

不妊治療ガイダンス 第3版 (編著:荒木重雄 浜崎京子 医学書院)

生殖医療の必修知識 2017(一般社団法人 日本生殖医学会 編)

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「不妊症に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書 参考資料(厚生労働省)

不妊のこと、1人で悩まないで「不妊専門相談センター」の対応を中心とした取組に関する調査(厚生労働省 政策統括官付政策評価室 アフターサービス推進室