日本人女性は鉄分不足!妊娠力に影響する「鉄欠乏性貧血」とは?

  • 不妊治療・婦人科

日本人女性は慢性的な鉄分不足です。

「かくれ貧血」も含めると、生理のある女性の約半数が
鉄欠乏性貧血だというデータがあります。

さらに、毎月やってくる生理によって鉄分を失っているのですから、
貧血は日本人女性にとっての国民病といってもいいかもしれません。

今回は、そんな鉄欠乏性貧血のメカニズム・予防法についてのお話です。

かくれ貧血…貧血の目安となる「ヘモグロビン値」は正常でも、
体内の貯蔵鉄が減ることで貧血の症状が現れること

鉄分はなぜ必要?

冒頭でもお伝えしましたが、生理のある日本人女性の36%がかくれ貧血、
12%が鉄欠乏性貧血だというデータがあります。

約半数の成人女性が鉄分不足による貧血状態であるという事実は、
鉄欠乏性貧血が妊娠力に影響することを考えると、見逃すことのできない問題です。

鉄分は、体の中で「ヘモグロビン」の材料になる大事な栄養素です。

赤血球に含まれる「ヘモグロビン」は、酸素と結びついて血液の流れにのり、
全身を巡ります。

呼吸によって外から取り入れられた酸素は、このヘモグロビンによって体の隅々、
細胞のひとつひとつにまで行き渡るようになっています。

さらに、代謝によって不要になった炭酸ガス(二酸化炭素)を肺まで運び、
外に出す働きもします。

つまり、ヘモグロビンが足りないと、体は酸欠状態になってしまうということです。

酸素は体の細胞を正常に動かすエネルギー源なので、酸素が足りないことによって
体にさまざまな不調が現れます。この不調が「貧血」です。

ヘモグロビンが足りない=「鉄分が足りない」ということ。

体を元気に動かすためには、鉄分が欠かせないのです。

 

鉄欠乏性貧血はなぜ女性に多い?

鉄分が不足することによって現れる不調=「鉄欠乏性貧血」

鉄分を失う主な原因は、血を失うことです。

ほかにも、胃腸が弱くなると栄養素が吸収されにくくなるので、
その結果鉄分が不足します。

 原因

  • 毎月の生理で血を失う
  • 妊娠、出産
  • 過度なダイエット、偏食
  • 胃腸が弱い

女性は、ふつうに生きているだけで血を失ってしまうのです。

とくに過多月経のある女性は毎月多くの血を失うため、鉄欠乏性貧血に
なりやすいといえます。

 

 症状

疲れやすい・いつもだるい・顔色が悪い・動機・耳鳴り・立ちくらみ・肌の乾燥…

 

これらの症状は、漢方における「血虚」の典型的な症状でもあります。

漢方薬局に相談に来られる女性の多くは、「血虚」の状態です。

血が足りないことが不調の原因であり、これは妊娠力を大きく低下させます。

なぜなら、女性の生理・妊娠・出産はたくさんの「血」を失いますが、
それは同時に、女性がたくさんの「血」を必要としていることを意味するからです。


漢方には「子宮は血の海」と言う言葉があり、血が豊富にあってこそ卵巣・子宮がきちんと働き、正常な排卵・生理が起こり、妊娠できると考えます。

女性の健康の源は、血。

妊娠力に必要なのも、血です。

女性の体にとって、血のもとになる鉄分はとても大切な栄養素なのです。

 

日本人女性は驚くほど鉄分が足りていない

鉄分の食事摂取基準(推奨量)は、1日あたり10.5mgといわれています。

ところが、日本人女性(20〜39歳)の鉄分摂取量は1日あたり平均6.4mg。


成人女性の場合、代謝によって1日あたり0.8mgの鉄分を失っていて、
何もしなくても鉄分は日々消費されています。

さらに生理中は、1日あたり0.5mgの鉄分が失われます。

  • 日本人女性の鉄分摂取は、目標量より4mgも不足している
  • 代謝によって鉄分は毎日消費されている。しかも生理中は余分に失う

このように、女性はもともと鉄分が足りていないうえに、
定期的に血を失っていることがわかります。

じつは、鉄分の摂取量が少ないからといって、いきなり鉄欠乏性貧血になるわけでは
ありません。

外から鉄分が入ってこないなら、体の中で鉄分を自家製する?

……残念ながら、それはできません。

鉄分は口から摂るしかないのですが、摂取量が減ってもヘモグロビンの生成に支障を
きたさないよう、つねに「ストック」を蓄えています。

女性の体には2〜2.5gの鉄分があるといわれていて、そのうち6割はヘモグロビンの材料として使うため血液中に、残りの4割は肝臓・脾臓にストックされています。

このストックを「貯蔵鉄」といいます。

外から入る鉄分が少なくても、体はヘモグロビンを作らなければいけませんので、
貯蔵庫(肝臓・脾臓)から鉄分を引っ張り出します。

貯蔵鉄を使い続け、ストックが減ってしまった状態を「かくれ貧血」といって、
貧血の症状はあるものの、血液検査でのヘモグロビン値は正常です。


さらに鉄不足が続くと、血液中の鉄分まで少なくなって、
ようやく検査で「貧血」と診断されます。

このように、慢性的な鉄分不足の招いた結果が「鉄欠乏性貧血」です。

鉄欠乏性貧血の予防は食事の見直しから

鉄欠乏性貧血、血虚は妊娠力に影響するとお話しました。

女性にとって豊富な血を作り、巡らせることは健康を保つために欠かせません。

とくに子宝を望むのであれば、貧血の予防・改善は最優先事項といってもいいでしょう。

鉄分は体の中で作られないため、外から摂り入れるしかありません。

サプリメントや鉄剤に頼るまえに、まずは普段の食事で積極的に鉄分を摂るように
しましょう。

 

鉄分には、肉や魚に多く含まれる「ヘム鉄」と、
野菜などに含まれる「非ヘム鉄」があります。

ヘム鉄を多く含む食材

  • 赤身の肉、魚(牛肉、カツオなど)
  • 鶏肉
  • レバー
  • あさり

 

非ヘム鉄を多く含む食材

  • えんどう豆
  • 干しひじき
  • ほうれん草
  • しじみ

 

非ヘム鉄は、動物性タンパク質・ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率がアップします。

  • 動物性タンパク質とヘム鉄を多く含む、肉・魚
  • 非ヘム鉄を多く含む、野菜・豆類・穀物類
  • ビタミンCを多く含む、果物

 

これらをバランスよく摂ることが大切です。

赤血球を作るのに必要な葉酸・ビタミンB12も積極的に摂るといいですよ。


葉酸を多く含む食材

  • レバー
  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • 納豆


ビタミンB12を多く含む食材

  • レバー
  • 魚介類
  • チーズ

 

さらに、胃酸の分泌は鉄分の吸収を促します。

お酢や柑橘類を食事に取り入れる・よく噛んで食べるといった工夫も大切です。

また、冷え性やストレスは、胃腸を弱らせて栄養の吸収を悪くします。

入浴や温かい食事で緊張をほぐし、十分な休息・睡眠をとるように心がけてください。


以上は、貧血を予防するための養生法ですが、過多月経の方や、貧血による症状で
日常生活に支障をきたす場合には、病院を受診して適切な治療を受ける必要があります。


【まとめ】

女性にとって、大切な栄養素のひとつである鉄分。

もともと女性は鉄分が足りていないうえに、毎月の生理で鉄分を失うため、
自分でも気づかないうちに貧血が進んでしまうのです。

大切なのは不調が現れてから手を打つのではなく、
貧血にならないような食生活を心がけること。

質の良い血液を巡らせることは、妊娠力アップにもつながります。

今日からさっそく、「鉄分」を意識した食生活をはじめましょう。

 

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<出典・参照元>

日本内科学会雑誌 2015年104巻7号 鉄代謝と鉄欠乏性貧血ー最新の知見ー

ニプロ株式会社 すこやかネット 鉄と鉄欠乏性貧血

厚生労働省 平成29年国民健康・栄養調査報告

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要

厚生労働省 e-ヘルスネット

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