年齢を理由にあきらめない!アラフォー女性が知っておきたいベビ待ち事情と養生術

  • 不妊治療・婦人科

アラフォーと呼ばれる年齢(一般的に35歳〜40代前半)になると、
子宝に恵まれず不妊治療を開始する女性がぐっと増えます。

タイムリミットが刻一刻と近づいているような気分になり、
周囲からの期待やプレッシャーに焦りや不安を感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。

今回は、そんなアラフォー女性の「ベビ待ち事情」と「養生術」についてのお話です。

前半はアラフォーと不妊ついて、後半は具体的な養生術について説明します。
「年齢的に、妊娠は無理かもしれない」と思っているあなた、
あきらめるのはまだ早いですよ!

ベビ待ち中のアラフォー女性が増えている

みなさんご存知のように、日本では晩婚化とともに女性の初産年齢の高齢化が
進んでいます。

厚生労働省の「平成28年度 人口動態統計特殊報告」によると、
平均婚姻年齢(男女ともに初婚の場合)は男性が30.7歳、女性は29.0歳です。
さらに、第一子出生時(初産)の母親の平均年齢は、平成27年で30.7歳となっています。

統計を取り始めた昭和50年以降、婚姻年齢・初産年齢ともに右肩上がりで、
今後さらに晩婚化・初産年齢の高齢化は進むと予測されます。

……とは言っても、ここ数年の初婚・初産平均年齢はおよそ30歳。

ベビ待ち中・不妊治療中のアラフォー女性が増えているのはなぜでしょうか?

現代の日本では、女性が社会に出て仕事に打ち込み、キャリアを積むことが
珍しいことではなくなりました。
仕事や趣味が充実していれば、当然結婚や妊娠・出産の優先順位は
後回しになるでしょう。

結婚したとしても「夫婦ともに多忙で、まだ子供は考えられない」というカップルや、「しばらくは夫婦2人の生活を楽しみたい」というカップルなど、
ライフスタイルや考え方は様々です。

そして、「そろそろ子供を…」と考えたときには、すでにアラフォーにさしかかっているというのが現実ではないでしょうか。

不妊と年齢の関係

何歳になっても精子を作り続ける男性と違い、女性はお母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの頃が卵子の数(正確には、卵子の元になる卵母細胞の数)としてはピークです。

お腹の中でピークを迎えた後は徐々に減り続け、決して増えることはありません。

出生時の卵母細胞は約200万個ありますが、排卵が起こり始める思春期には、
すでに30万個まで減っています。

30万個というとかなり多く感じますが、
このうち排卵する卵子の数は約400〜500個くらいです。
そして、25歳で10万個、35歳で5万個……と激減するのです。

また、女性が年齢を重ねるごとに、卵子も歳をとります。
卵子の老化=質の低下です。
一般的に、卵子の老化は35歳頃を境に始まると言われ、
まさにアラフォー世代と重なります。

数が減るだけでなく、質も低下する。当然、妊娠する確率は低くなってしまうのです。

こんなデータがあります。
25歳前後の健康な男女が通常の性生活を送っても妊娠する確率はひと月に30%程度

「妊娠の適齢期」といえる年齢でもこの確率ですから、歳を重ねるごとに体力・卵子ともに老化が進めば、妊娠の確率が下がってしまうのは言うまでもありません。

不妊治療の場合も同じことで、人工授精・体外受精などの高度治療を行っても、
卵子の状態が良くなければ成功率は下がってしまいます。

実際に、不妊治療後に出産する確率は、年齢とともに低下することがわかっています。

30歳は19.9%
35歳は16.3%
40歳は7.7%
45歳は0.6%

40歳を迎えると、一気に出産の確率が下がることがわかります。


このように、不妊と年齢は深い関係があるのです。

日本生殖医学会は、医学的な「妊娠適齢期」は20歳前後であり、自然分娩の場合は
「できるだけ30歳前に妊娠・分娩することが望ましい」という見解を出しています。

残念ながら、年齢を巻き戻すことはできません。
40歳の人がどんなに努力しても、30歳に戻ることはできないのです。

しかし、妊娠するための基礎体力、「妊娠力」を取り戻すことができるとしたら……

アラフォーになっても妊娠力がアップするのなら、がんばってみたいと思いませんか?

不妊治療の前に、妊娠力があるかどうか

不妊とは「妊娠できない病気」ではなく、
「体そのものが妊娠できるレベルに達していない状態」のことです。

もちろん、卵巣や卵管などに何かしらの問題を抱えている場合は、
まずそれらを治療することが必要です。

しかし、不妊検査・治療をしても原因がはっきりしない場合は、
「妊娠する力が足りていない」と考えましょう。

いくら高度な不妊治療を受けても、妊娠できる状態に体が整っていなければ、
ぬかにクギ。どんな先進医療でも、土台ができていない所で効果は発揮できません。

不妊治療の前に、妊娠しやすい体づくりをして「妊娠力」を高めることが先決です。


妊娠力とは、どのようなものでしょうか?

それは、女性ホルモンを適切に分泌する力・卵胞を育てる力・排卵する力・卵子を卵管に取り込む力・受精して着床する力・妊娠を継続させる力…つまり、妊娠のすべての過程において、ベストコンデションを保てる力のことです。

先ほどもお話ししたように、
医学的に卵子の質・体力ともに妊娠に適しているのは20歳前後。

若い頃は多少無理をしても平気だったことも、年齢を重ねれば体力や免疫力が低下し、
リカバリーする余力がありません。

アラフォーであれば、低下した妊娠力を回復・維持するために日頃の生活に気を使い、
養生することが大切になってきます。

誤解しないで欲しいのですが、「妊娠しやすい体づくり」とは、
何もストイックに体を鍛えることではありません。

女性が本来持っている力を取り戻してあげるために、
生命の基盤である「生活」そのものを見直すことにあります。

生活習慣を見直すと妊娠力がアップする

不妊の原因には、卵巣や子宮の障害・病気に由来するもの(排卵障害・子宮内膜症など)のほか、生活習慣が大きく影響しています。

具体的には、

  • タバコ
  • 過度なダイエット
  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 食生活の乱れ

…などが妊娠力を下げる要因となります。これらは、いずれも血流を悪くするからです。

タバコやストレスは血管を収縮させ、血の流れを滞らせます。

睡眠不足や食生活の乱れ・過度なダイエットも、
自律神経やホルモンバランスの乱れを招き、結果として血流の悪化を招くのです。


東洋医学では、血流を良くすることで子宮や卵巣に力を与え、
妊娠・出産に導くと考えるため、妊娠力を高めるには「血」をとても重視します。

バランスの良い食事と十分な睡眠をとること、
仕事や人間関係のストレスを極力減らす生活を心がけてください。

さらに、五臓六腑のうち生殖・ホルモンバランス・免疫力に関係する「腎」をいたわり、育てる力である「陰」を増やすことも妊娠力アップには欠かせません。

「陰」はエネルギーを蓄えて体を回復させるとともに、
基礎体温の低温期(卵胞を成熟させ、排卵に向けて準備をする期間)に影響するため、「陰」が十分に蓄えられると良い卵胞が育ちます。


「腎」と「陰」のパワーを蓄えるのには、共通点があります。

  • 体を温めること
  • 十分な睡眠をとること

睡眠中に「陰」が蓄えられ、それにより「腎」が回復する。
「腎」が回復すると、生殖機能や女性ホルモンの分泌が活発になります。

漢方では、夜の11時から3時頃までの4時間が、内臓の回復に一番良い時間帯とされます。

夜更かしをせず、なるべく9時から10時には布団に入り、11時にはぐっすりと眠っている状態を目指しましょう。睡眠は、体にとって一番の回復法なのです。

 

また、冷えは「腎」にとって大敵です。冷えは体の回復を妨げますので、夏場の極端な薄着・エアコンによる冷えすぎには十分気をつけてください。

食べ物で体を温めるのも効果的です。鶏肉や生姜を使ったスープや、ネギ・山芋などは
体を温めてくれる代表的な食材なので、積極的に取り入れると良いでしょう。

【まとめ】

アラフォーのベビ待ち女性に限ったことではありませんが、
妊娠力を高めるために大切なことは、生活を整えることです。

当たり前のことを言っていると思いますよね?

でも、現代社会では、明るくなったら起きる・暗くなったら寝る・疲れたら休む・
穏やかな心で過ごす……という、当たり前の生活が難しくなっているのが現実です。

リズムの整った生活は、心にも良い影響を与えます。

日々ストレスにさらされ、ベビ待ちのプレッシャーや焦りで弱った心は、どこかで癒してあげなければいつまでも疲れたままです。

心と体は互いに影響し合っています。

いま一度、普段の生活と心の状態を見つめ直して「妊娠力アップ」を目指しましょう。

 

<出典・参照元>
厚生労働省 平成28年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況

厚生労働省 平成27年 人口動態統計月報年計(概数)の概況

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一般社団法人 日本生殖医学会公式ホームページ

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