はじめてさんのための不妊治療の教科書 その④ 不妊にまつわる悩み〜不妊女性の数だけ悩みはある〜

  • コラム

「お子さんは何人?」「まだ作らないの?」「2人目は?」

これらは、おそらく「女性なら当然、妊娠・出産するもの」という前提で投げかけられる言葉ですの生き方、働き方、家族のあり方が多様化した現代でも、いまだ根強く残る「結婚したら、つぎは出産!」という周囲からの圧力。

今回は、不妊にまつわる悩みについて考えてみましょう。


不妊女性を苦しめるものとは?

不妊女性の抱える悩みは、ひとくくりに説明できないほどたくさんあります。

それは、その人の性格・価値観・これまでの治療経験・サポート体制……皆さんひとりひとり違うからです。

Aさんにとって深刻な悩みが、Bさんにとっては平気なことかもしれないし、逆もまた然り。


このように、不妊にまつわる悩みは個人差があるものの、「多くの不妊女性が抱えやすい悩み」というのは確かに存在します。それは、これまでのカウンセリング経験から実感しているのはもちろん、国内外の研究でも明らかにされていることです。

ここでは、不妊女性を悩ませる5つのパターンを見ていきたいと思います。

 

1.「女性なら子供を産んで当たり前」という価値観

周りにいませんか?

「赤ちゃんはいつかしらね。楽しみ!」と無邪気に言ってくる親戚。

「人の親になってやっと一人前だ」という価値観を押し付けてくる上司。

「お子さんは?あら〜、どうして作らないの?子供は可愛いわよ〜」と言ってくる顔見知りのおばちゃん。

おそらく悪気はないのでしょうが、このような「女性なら子供を産んで当然」という価値観や、子供がいないことに対する他人の干渉・無理解は、不妊女性をひどく傷つけます。

直接的な言葉でなくても、表情や雰囲気で圧を感じることもありますよね。


不妊女性の皆さんは、誰よりも赤ちゃんを切望しています。

子供が可愛いことも、親になりたいという気持ちも、本人が一番わかっています。でも、それが叶わないから苦しんでいる。


周囲の期待に応えられない焦りや悲しみは、いつしか自己嫌悪や自尊心を失うことにつながります。

「どうして私は妊娠できないの?」

「子供がいないから、女として、妻として、嫁として認めてもらえない……」

このような、本来抱く必要のない罪悪感や劣等感は、家族や友人と距離を置き、対人関係を悪化させる原因にもなります。

 

2.「子供が欲しい」という自然な欲求が満たされない

結婚した女性の多くは、これからの人生に希望を抱き、家族のぬくもり・親子の愛情など、それぞれの理想を持っていることでしょう。

子供が欲しい、暖かな家庭を築きたいというのは、人として自然な欲求です。


誰しも、まさか自分や夫が不妊だなんて思いもしません。

子供を産み育てると信じて疑わなかったところに、不妊という現実をつきつけられ、「人として自然な欲求」が満たされず挫折感や絶望を味わいます。


また、周囲の人がつぎつぎに妊娠・出産していくのを見るのも大変つらいものです。

「みんな妊娠するのに、どうして私だけ……」と他人と自分を比較する、「友人の妊娠・出産を素直に喜べない自分」に嫌気がさす、悔しい、悲しい……。


自分以外の人が皆とても幸せそうに見えるのですから、ネガティブな感情が湧き上がるのはちっともおかしなことではありません。むしろ自然です。

しかし当人は、「どうして私はこんな感情を抱いてしまうのか」と自己嫌悪に陥ります。


それもこれも、「自分の夢や欲求が満たされない」から。

自分が満たされていないのに、他人の幸せを心から祝福し優しく振る舞えるほど、心に余裕はありませんよね。

 

3.不妊治療の不確かさ

不妊治療は「出口の見えない長いトンネル」に例えられます。

治療によって100%妊娠する保証はありませんし、治療が長くなる=年齢を重ねるということ。加齢による妊娠率の低下を考えると、タイムリミットが刻一刻と迫っているのに出口が見えず、気持ちは焦るばかりでしょう。


毎月のように、「今度こそ」という期待と「今回もダメだった」という落胆を繰り返し、妊娠・不妊治療という不確かなものを前に、自分の無力さを感じるかもしれません。

それでも多くの方が、「次こそは」という期待を胸に不妊治療に臨みます。

「あと3回がんばれば妊娠できますよ」

「1年後には妊娠できますよ」

こんなふうに先が見通せる治療なら、どれだけ心が楽になるでしょう。でも、生命の誕生はそんなに単純なものではありません。


妊娠できないこと以外にも、治療にともなう苦痛、通院にかかる時間・費用の負担、仕事との両立のむずかしさ……いくつもの負担が重なり、「いったい、この生活がいつまで続くのだろう」と絶望し、不安・怒り・抑うつなどの精神症状が現れる方もいます。


4.不妊について相談できる相手がいない

今あなたには、不妊治療についてなんでも話せる人はいますか?

不妊というのはデリケートな問題です。先にお話したように「女性なら子供を産んで当たり前」という価値観の中で、「赤ちゃんができない」ということをオープンにするのは勇気のいることかもしれません。


本来なら、不妊であることを隠す必要も、恥ずかしがる必要もまったくないのですが、「不妊を許容しない世間」を前にして、堂々と「子供ができなくてつらいです」と言える女性は、どれだけいるのでしょうか?


不妊治療患者のサポート団体である「Fine」の調査結果を参考にしてみましょう。

「職場で『不妊治療をしている』ことを話しているか(いたか)?」という質問に対する回答は、

  • 誰にも話していない…24.8%
  • 同僚など一部の人にだけ話した…23.7%
  • 上司にだけ話した…18.3%
  • 関係者ほぼ全員に公表した…16.4%

このような結果でした。


この調査は「職場」という環境に限定しているものの、4人に1人は「誰にも話していない」のです。


これは、不妊という話題がまだオープンに語られる社会ではないということ、「不妊治療のことはできれば知られたくない」「同情されたくない」という不妊女性の心理状態を表す結果と受け取れます。


不妊治療が世間に広く知られるようになったとはいえ、いまだ不妊治療は「特別なもの」という感覚なのでしょう。それは世間だけでなく、不妊で悩む女性たち自身にとっても。


不妊治療に対する理解・認知がもっと広がって、不妊で悩む女性たちが不妊の苦しみを1人で抱え込まず、オープンに語り合える社会が理想です。

 

5.不妊治療に対する夫婦間の温度差、夫婦関係の変化

夫婦関係も、多くの不妊女性に見られる悩みのひとつです。

不妊治療に入る前に夫婦でよく話し合い、2人で同じ方向を見て治療を受けるのが理想ですが、夫婦といえどそれぞれまったく異なる個人です。


不妊治療はどうしても女性側の負担が大きくなりますし、不妊治療に対する思い入れや、子供を持つこと・家族のあり方についても男女で温度差があるのはよくあることです。


不妊治療では、治療開始時の夫婦間の十分な話し合いはもちろん、治療の過程でもコミュニケーションをしっかりとる必要があります。


たとえば、妻は「最近、夫は不妊治療にあまり乗り気でないみたい。もう子供は欲しくないのかしら?」と思っているけれど、それを夫に直接確認せず、妻1人で悩んでいたとします。

夫は夫で、「最近、不妊治療による妻の負担がとても大きいようだ。体も心もつらそう。子供は欲しいけれど、このまま治療を続けたら妻を苦しめるだけではないのか?」と悩んでいたとしたら?


夫婦がお互いに気を遣いすぎて、本音で話し合わないがゆえにすれ違ってしまうこともありあます。

つらいこと、悲しいこと、もちろん嬉しいことも、2人で共有できるのが理想です。


また、夫婦間の問題には「性生活の変化」もあります。

不妊治療をしている方の中には、「性生活が義務のように感じてしまう」という方も少なくありません。

本来、相手への愛情・性欲・性生活は一致すべきものですが、タイミング法で「この日に必ず」というプレッシャーを感じると、性欲と行動が一致しないということは十分ありえます。

 

多くの不妊女性が悩みに立ち向かっている

いろいろな悩みについてご紹介しましたが、このような悩みを抱える不妊女性は、いつもマイナスの感情に支配されているのでしょうか?

決してそうではありません。日々の生活の中で、女性たちはその苦しみから抜け出そう・立ち上がろうと努力しています。


ある調査研究では、「不妊の悩みにどのように対処しているか?」という質問に対して「不妊の経験を前向きにとらえ、新しい価値を見出す」という回答が多数ありました。

これは日本の不妊女性特有のもので、海外の調査研究では見られない結果だといいます。


ほかにも、「不妊の仲間や理解者とともに不妊と向き合う」、ときには感情をそのまま吐き出して「落ち込む、泣く、怒る」、深刻に考えすぎないよう「気楽に構える」、「医療者に支援を求める」など、不妊の悩みに自分なりの対処法を持っていることがわかりました。


不妊という苦しい経験を、「自分にとって意味のあるもの」として肯定的にとらえる日本女性のたくましさ、自分なりの対処法を模索する姿は尊敬に値するものです。

あなたにとって、不妊治療の支えになっているものは何ですか?

 

不妊症は恥ずかしいことじゃない。1人で悩まないで

いまや不妊カップルは5.5組に1組の割合で、珍しいことではありません。

恥ずかしいと感じたり、劣等感を感じたりする必要もありません。


他人からの「お子さんは?」の質問には、「欲しいんですけど、なかなかできなくて」と堂々と返していいんです。

もちろん勇気のいることで、「そんな簡単に言えるわけない」と思われる方が大半でしょうし、それを強いるつもりもまったくありません。


でも、本当は赤ちゃんが欲しいし、つらい思いをしながら不妊治療を受けているのに、「今はまだいいかなって……」と自分に嘘をつき、「仕事が忙しくて」とその場をやり過ごす日々に正直疲れてしまうことはありませんか?


そんなときこそ、「赤ちゃんに会うためにがんばっている自分」を認めてあげてください。

周囲の目が気になって、いつの間にか身についてしまった「自分の気持と反対の言葉を吐き出すクセ」を少しお休みしてはいかがでしょうか。


本当のことを話せなくても、「お子さんは?」という質問に、無言でニッコリ笑うだけでもいいと思います。

多くの不妊女性は自分の殻に閉じこもり、孤独を感じやすい状況にあります。

他人を羨んでしまうから、あえて人との接触を避けるという方もいるでしょう。

でも、殻に閉じこもったままではその先に進めません。もしかしたら、子供がいるあの人も過去に不妊治療を受けていたかもしれない。

「つらいよね」と気持ちをわかってくれる人が、すぐそばにいるかもしれない。


パートナーとの対話や、信頼できる医療者へ相談すること、不妊治療の相談窓口やピアサポートの利用も有効です。

1人で悩みを抱えるほど、つらいことはありませんから。

 

【まとめ】

多くの不妊女性は、さまざまな悩みを抱えながらも「赤ちゃんに出会える日」を夢見て日々努力しています。

今回は「不妊女性」という言葉でお話をすすめましたが、もちろんパートナーである男性も同様です。

不妊にまつわる悩みは千差万別、不妊女性の数だけ悩みがあります。

でも、これから不妊治療を受ける方は「どんな悩みを抱えやすいか」を事前に知っておくことでうまく対処できるかもしれませんし、まさに今不妊治療で悩んでいる方は「みんな同じように悩んでいるんだ」と知ることで、少しは気持ちが楽になるでしょう。


そして、より多くの人にこの記事を読んで頂けたら、不妊に対する認識が少しは変わるのではないか……と密かに期待しています。


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<出典・参照元>

不妊治療ガイダンス 第3版 (編著:荒木重雄 浜崎京子 医学書院)

不妊治療を受けている女性の抱えている悩みと取り組み(長岡由紀子:日本助産学会誌 第14巻第2号)

NPO法人 Fine(ファイン) のご紹介(厚生労働省)

仕事と不妊治療の両立支援のために(厚生労働省)