流産・不育症の原因

  • 流産について

子宝を中心に婦人科専門の漢方相談を受けているのですが、最近、増えているのが流産(稽留流産、切迫流産など)や不育症の相談です。

一度授かった命を失うことが、どれだけつらいことか・・・

妊娠する力はあるのに、流産後の体の回復をしっかりとしないことで、授かりにくくなってしまう。
そんな女性をたくさんみてきました。

少しでも多くの方が、自分自身の体についてもっと深く知っていただきたいと思います。
西洋医学的な原因のある不育症や習慣性流産などは、病院での治療も必要ですが、同時に、赤ちゃんを授かる環境をしっかりと整えて行くことも大切です。
妊娠しやすい体づくりをすることで、不育症や習慣性流産を乗り越えていく力をつけていきましょう。

天使になった赤ちゃん

授かった新しい生命。
その生命が失われてしまった時。

言いようのない悲しみに襲われたり、
自分を責めてしまったり
もしかすると、また…
という不安に包まれていたりするかもしれません。

まず、知ってほしいのは、
流産は決して特別なことではないということです。

流産について

妊娠反応が陽性で、子宮内に胎児または胎嚢が確認された後、その成長が停止した状態、つまり胎児が死亡した状態で、妊娠22週までに赤ちゃんが母体から外に出てしまうことをいいます。自然流産は、全妊娠の約10~15%にみられます。

流産・不育症の原因

習慣性流産・不育症には、原因がいくつかあります。

1. 血液が固まりやすい(抗リン脂質抗体、凝固系異常)
お母さんと赤ちゃんをつなぐ血管が、血が固まることによって詰まってしまいます。
そのために、酸素・栄養が届かず流産に至ります。
2. 内分泌系の異常(甲状腺ホルモン、血糖値など)
ホルモンバランスが崩れているために、流産を引き起こしてしまいます。
3. 子宮の奇形
流産を引き起こす子宮奇形には、中隔子宮、双角子宮などがあります。
子宮形成の手術を行うことで、流産を防ぎ、妊娠・出産の可能性を高めることができます。
4. 染色体異常
夫婦どちからに、転座と呼ばれる染色体異常がある場合は、高い確率で流産が起こりやすくなります。
残念ながら根本的な治療法はありませんが、着床前診断という方法が広まりつつあります。
5. 原因不明
これが圧倒的に多く、全体の65%を占めます。
つまり、現代医学では、習慣性流産・不育症は、まだまだ未知の領域なのです。

流産・不育症に漢方をおすすめする理由

漢方での対応

漢方では、大切な受精卵や赤ちゃんをお母さんの子宮で育て、守ってくれるのは『気』と『血』の力であると考えます。そのため、気と血を増やす漢方を使っていきます。また、習慣性流産の一部には、血流が大切であるタイプもあり、血の流れをよくしていく対応を取る場合もあります。

基本的には、

  • 気血不足(体のエネルギーと血液、栄養、ホルモンなどの不足)
  • 腎虚(赤ちゃんを育てる力、生命力の不足)

の改善が重要であると考えます。

あわせて

  • 脾虚(暴飲暴食や不摂生などから消化器をつかさどる「脾」が弱くなっている)
  • 瘀血(血のめぐりが悪くなっている)
  • 血熱(慢性病や疲労などにより血がめぐらず、悪い熱がこもっている)
  • 湿熱(不摂生、ストレス等により、体に悪いものがたまり、熱がこもっている)

などの改善も大切です。

漢方のメリット

漢方で、体質改善をすることには、多くのメリットがあります。
主なところですと、

  • 妊娠への障害となる婦人科トラブルもあわせて改善できる
  • 妊活と流産を防ぐ体づくりが一石二鳥でできる
  • 体調がよくなるので、毎日が楽に生活できる
  • 体だけでなく、心や精神状態も穏やかに、前向きに妊活できる
  • 飲むだけなので、自分で手軽に取り組むことができる
  • 一般的な医薬品に比べ、副作用が少ない
  • 自然の生薬が中心なので安心度が高い
  • 病院での治療や薬との併用することができる(飲み合わせ等ご相談ください)

などがあります。
中でも大きいのは、妊活と流産を防ぐ体づくりが、同じ漢方でできることです。
妊娠するための体質改善と流産を防ぐ体づくりは、漢方では同じ体質が原因であることがほとんどであるため、同じ漢方で、それぞれの目的をかなえることができるのです。

漢方は、続けていくことで体質を改善します。
そして、母体が健康になればなるほど、妊娠する力、育てる力は高まっていくのです。

体験談

西洋医学的解説

切迫流産:
流産が差し迫っている状態。出血、下腹部痛などはあるが、妊娠継続の可能性がある。
進行流産:
出血、下腹部痛が強くなり、もはや妊娠の中絶が避けられない状態まで進行している。
稽留流産:
子宮内で胎児(胎芽)が死亡しているにもかかわらず、出血、下腹部痛がなく、子宮内に停滞している状態。
不全流産:
胎児や胎盤などの一部が子宮外に排出されているが、一部が子宮内に残った状態。出血、下腹部痛を伴う。
完全流産:
胎児や胎盤などのすべてが子宮外に排出された状態。
感染流産:
性器の感染により起きた流産をいうが、通常は子宮内に残った胎児や胎盤に細菌感染が起こり、発熱した状態。
習慣性流産:
自然流産や早産を3回以上繰り返す場合で、その50%は原因不明。

※一般的な説明を記載しています。病状により治療法などは異なりますので、詳しくは主治医の先生にご確認ください。