基礎体温がガタガタするなら、ストレス対策をしっかりと。〜不妊・婦人科疾患を治す基礎体温の見方 6〜

  • コラム

不妊・婦人科疾患を治す基礎体温の見方第6回目は、体温の変動が激しくガタガタしてしまうタイプを見ていきましょう。

体温ガタガタの背景には、女性ホルモンの不安定さがある。

基礎体温表の安定度は、そのまま心と体の安定度を表しています。

ガタガタしているというのは、心と体のどちらか、あるいは両方が不安定な状態になっているということです。その結果、女性ホルモンの分泌が不安定になり基礎体温がガタガタします。ただしそれは、あなたが悪いということではありません。そして、いくらでも変えることができるので安心してください。

その原因には、いくつかの理由があります。

主なものだと

 

①ストレス

②高プロラクチン値

③多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

更年期、加齢

⑤環境の変化

⑥基礎体温の測り方

 

などが挙げられます。

①〜⑤に共通しているのは、何らかの原因で女性ホルモンに代表されるホルモン系が不安定になっているということです。そして、その背景には、さまざまな変化に敏感に反応しやすい体質になっているということがあります。

基礎体温のガタガタ=女性ホルモンの不安定さを示しています。

そのため、改善の必要があるのです。

 

①ストレス

これが最も多い原因です。

脳にある視床下部は様々なホルモンや自律神経系の中枢です。

視床下部は血流中の女性ホルモンの量を測定し、それにあわせて卵巣に向けて指令(性腺刺激ホルモン:GnRH)を出します。それにあわせて卵巣では女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌をコントロールします。女性ホルモンが安定していると、基礎体温も安定します。

しかし、視床下部は非常にストレスに弱いのです。

ストレスを受けると視床下部はストレスホルモン(副腎皮質刺激ホルモン:CRH)を分泌します。このストレスホルモンが出ると、卵巣に向けた指令が乱れたり、出にくくなってしまいます。すると、女性ホルモンを安定して作ることができず、結果的に基礎体温がガタガタとしてしまいます。

ストレスがあると、女性ホルモン系の働きそのものが低下してしまうのです。

 

②高プロラクチン血症

プロラクチン(PRL)という授乳に関わるホルモンの数値が高くなった状態です。

プロラクチンというホルモンは脳の下垂体から分泌され、本来、出産後の授乳期にたくさん出ることで、おっぱいがよく出るように働きかけます。授乳期以外にプロラクチンの分泌が増えると妊娠しにくくなります。それは、女性ホルモンが不安定になり月経不順や排卵障害が起きるためです。その状態を基礎体温のガタガタは示しています。

プロラクチンの正常値は、検査方法によって異なりますが4.3〜32.4ng/ml(CLIA法)。15ng/ml未満が望ましいとされています。

プロラクチンが増えてしまう理由は3つあります。

1)機能性高プロラクチン血症

下垂体から分泌されるプロラクチンは、視床下部というところからコントロールされています。

視床下部からプロラクチンを抑えるホルモン(ドーパミン)が作られることで、プロラクチン産生を抑えるブレーキがかかっているのですが、ストレスなどによってブレーキが壊され、プロラクチンが過剰に出てしまうのです。

西洋学では、テルロン、カバサールなどのお薬で治療されます。

漢方では、麦芽の炒ったものなどを使います。

 

2)薬剤性高プロラクチン血症

精神科系のお薬の中には、ドーパミンを抑える働きの薬があります。ドーパミンの働きが抑えられるとプロラクチンが作られるようになるため、プロラクチンの数値があがります。

精神科、心療内科でお薬をもらうと、基礎体温がガタガタしたり、生理が止まったりすることがあるのはこのためです。しかし、お薬による一時的な作用のため、飲むのをやめると元に戻ります。心の治療を優先しないといけない時もあると思いますが、状態がよくなってお薬をやめられれば、妊娠しにくい高プロラクチン血症の状態は改善しますから、安心してくださいね。

 

3)腫瘍性高プロラクチン血症(プラクチノーマ)

下垂体に腫瘍ができることがあり、その中にプロラクチンを産生するものがあります。このため、プロラクチン値が高くなります。

西洋医学では、パーロデルなどのお薬や手術で治療します。

 

③多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

卵胞が発育するのに時間がかかってなかなか排卵しない疾患です。排卵されない卵胞は卵巣に残るため、超音波検査でみると、たくさんの卵胞(嚢胞)を認めることから多嚢胞性卵巣と呼ばれます。

卵巣にたくさんの卵胞がつまってしまった状態だと考えるとわかりやすいでしょう。

そもそも、PCOSの状態になる原因として、高インスリン血症により男性ホルモン過剰などのホルモンバランスの不安定があります。また、卵巣にたくさんつまった卵胞からも、ホルモンが分泌され、ますます女性ホルモンの状態が不安定になっていくのです。これが基礎体温のガタガタにつながります。

排卵誘発剤を使ったり、高インスリン血症を治療するメルビンというお薬を使う薬物治療や、腹腔鏡を使ってレーザーで卵巣に穴をあけて排卵しやすくする手術(腹腔鏡下卵巣多孔術)などで治療されます。

漢方では、活血化瘀、化痰去瘀、補益肝腎といった働きのある漢方を使います。

 

加齢

年齢を重ねると次第に卵巣は弱っていきます。そのため、安定して女性ホルモンを作ることができず、結果的に基礎体温がガタガタします。

漢方では、滋陰補血、補益脾腎といったはたらきのある漢方を使います。

 

⑤環境の変化

気温によって体温は多少変化します。夏よりも冬が低かったりするのは、自然なことです。特に季節の変わり目などは体温も日々の影響を受けやすくなりますが、こういった場合はそんなに気にする必要はありません。

⑥基礎体温の測り方

基礎体温の測定をスタートしたばかりの頃は、慣れるまで測定が上手に出来ず、非常にガタガタしやすくなります。1ヶ月くらいは練習期間くらいに割り切って、一喜一憂しなくても大丈夫です。

また、長く測定されてる方や買い替えたときに起こるのが、基礎体温計そのものの故障です。意外と見落としがちなのです。長く使って電池交換の時期がきたら、もったいないと思うかもしれませんが、あっさり買い換えることをおすすめします。せっかくの努力が故障でムダになる方がはるかにもったいないですから。

 

東洋医学的な体質改善法

基礎体温がガタガタする最大の原因はストレスです。

ストレスを少しでも軽くすることは、とても大切。妊娠しやすい体づくりのためにもそうですが、ストレスが軽くなって、気持ちに余裕が出れば、夫婦関係を含めた人間関係もよくなります。

毎日の生活がいまよりも楽しく、しあわせになる。それは妊娠に向けて一番カギを握ることだと言ってもいいかもしれません。

 

 

同じ出来事であっても、軽くやりすごすひともいれば、心にグサッと突き刺さり、いつまでも気になってしんどくて仕方ないというひとがいます。

これは考え方や性格のせいだと思われがちですが、それだけではありません。ストレスを受け止める体質によって、ストレスの程度が変わるのです。

生活や働き方を見直すのと同時に、ストレスが軽くなる体質に変身していきましょう。

 

 

①気滞瘀血

新陳代謝や元気のエネルギーである「気」

血液、栄養、ホルモンのすべてをまとめた「血」

その両方ともが流れが悪く滞ってしまった状態です。

こうなると、自律神経のバランスが崩れ、気持ちのコントロールがうまくできなくなります。生理前症候群(PMS)の症状がひどくなりやすいのも特徴です。

気と血は血流となって全身を流れます。つまり、血流をよくすると気滞瘀血の状態そのもの改善でき、ストレスの感じ方は格段に楽になります。

一番手軽に改善できる方法は、呼吸です。

血流は呼吸によって心臓へと戻されます。緊張した状態だと呼吸が浅くなり、血流が悪くなる。そこからますます気滞瘀血が悪化する負のスパイラルに落ち込みやすいのです。デスクワークでパソコンを使うことが多い方は、パソコンを見ながら呼吸が止まっていたりしませんか?気づいたら大きく深呼吸をしましょう。たったそれだけで、気滞瘀血の状態が改善しやすくなります。

 

継続することで、変えていく方法としては、完全呼吸をおすすめします。
仰向けで横になるか椅子に座って片方の手を胸に、もう片方の手をお腹におくとわかりやすいでしょう。

まず、心を落ち着かせて、全ての息を吐き切るのがポイントです!
背中とお腹がくっつくくらい吐いてからスタートします。


(1)吸う

ゆっくりと鼻から吸います。
この時に、お腹→胸→鎖骨→肩というように、下から順に息を入れていきましょう。
息を吸うのと同時に、お腹、胸、鎖骨が順番にふくらんでいくのを意識するのが大事なポイントです。

(2)止める

吸いきったら一度止める。
この時に、お尻の穴をきゅっと締めて、息を止めて下腹に(丹田)に力を入れます。
全身に「気」が満ちるのを意識して
みてください。

(3)吐く

ゆっくりと鼻から吐いていきます。
背中とお腹がくっつくくらい息を吐き切りましょう。


(1)~(3)を自然な流れで3回繰り返します。

この完全呼吸をすると呼吸が深まって、血流もゆったりとよい流れになりますし、なにより心が落ち着いてきます。

古来、呼吸は心と体をつなぐものとされてきました。実際、ゆったりとした呼吸をすると扁桃体というストレスの中心となる脳の部分もリラックスすることが知られています。脳がリラックスすると、ストレスホルモンの分泌も低下するため、全身の状態が改善していきます。

食事面では、紫蘇、せり、ミント、ネギ、柑橘類のような香りの強いお野菜を積極的に食べましょう。気がめぐりやすくなります。

気滞瘀血の体質改善のために、ぜひ続けてみてくださいね。

 

漢方薬では、疏肝理気、解鬱化痰、清心疏肝などストレスを緩和し、心の体力をつける効果のある漢方を使っていきます。

 

体というのは、手をかけてあげると必ず応えてくれます。まずは自分でできる改善に取り組んでみる。それでもうまくいかなかったら、薬膳茶や漢方など、自然の力を積極的に利用した体質改善にチャレンジしていきましょう。