月のリズムと生理周期。

  • コラム

月と女性、そして生理のリズムには不思議な関係があります。

日々のくらしの中で新月や満月と生理に関係があるように思っているひとも多いでしょうが、それは「なんとなく」ではありません。

そして、そこにはちゃんと理由があるのです。

女性は血、そして血は海。

漢方では「女性は血をもって本となす」という言葉があります。これは、「女性にとって血はとても大切で、おおもとをつくっているもの」という意味です。

そのため婦人科の漢方で最も重視されるのが血です。特に、生理や妊娠、出産、授乳、更年期など女性のホルモンリズムの変化に伴ってあらわれる様々な心や体の症状は、『血の道症』と呼ばれ病名になっているほどです。

初潮から閉経まで女性のこころとからだを左右する血は、女性の人生にも大きな影響を与えているのです。長年婦人科の相談に関わっているぼくは断言しますが血流を無視しては、女性の病気や不調はよくなりません。

なぜそれほどまでに血流が大事なのでしょう。

それは、女性のからだのリズムそのものが、もともと海であった血流と深く関わっているからです。血は海そのものなのです。

月経を「月」であらわすのは、世界共通。

生理のことを月経といいますが、これは現代につくられた言葉ではなく、安土桃山時代の文献にも登場する古い言葉です。さらに古い時代には月事、月水とも呼ばれていました。そして、これは洋の東西を問いません。

英語の「menses」の語源はギリシャ語で月を意味する「mene」ですし、ドイツ語、、フランス語、ロシア語などヨーロッパのほとんどの国の言葉でも月が語源になっています。そして、アジア各地、たとえばタイでは「月のまわり」、インドネシアでも「月が来る」という表現をします。

とても不思議な事ですが、時代や民族、地域や文化を超えて、女性の生理は月と関わる言葉で表されています。人間の深層心理や共通意識がつながっているのでしょうか。

月と女性の体は同調する。

生理のリズムは月の周期(29.5日)にほぼ重なります。そして、電灯のような人口の明かりがなかった時代では、生理周期は28日よりも30日周期が多かったこともわかっています。より自然に近い暮らしをしているとき、人間の体は自然のリズムに同調しやすいのでしょう。

海は月によって波が起き、満ち干きが起きます。

血は、原始の海を体内に取り込んだものです。血流は海そのものと言っても過言ではないのです。その血をおおもととする女性の体が月に影響されないわけがありません。

かつて狩猟採集をしながら小さな集団生活を人類が送っていた頃、女性の生理は満月や新月にあわせて来ていたとする、人類学者の報告もあります。

自然のリズムである月の運行を、ぜひ自分のくらしの中に取り入れて、心や体をすこやかにしていってほしいと思うのです。